リスキリングブームにどう向き合うか
- 鎌倉 俊太郎
- 7月1日
- 読了時間: 4分

リスキリングという言葉が大流行り
ビジネスの現場でリスキリングという言葉をさかんに聞くようになりました。従来からも日本では終身雇用制度下で社内研修を行ってきており、私も名刺の渡し方とか電話のかけ方とか、入社一日目の研修で習ったなつかしい思い出があります。(これらのスキル?ももはや陳腐化しつつありますが。。)
研修という外観は変わらないのに、なぜ社内研修ではなくリスキリングという横文字を使うようになったのか、私も含めて疑問に感じている方々も多いのではと思われます。そこで今回はリスキリングと社内研修は何が違うのか、違いがあるとしてどう向き合ったらいいのか、ご一緒に考えてみたいと思います。
社内研修とリスキリングの違い
社内研修は、各企業内で社員が成長する過程で必要とされる知識や経験を体系化して提供するプログラムであるとされます。全社員が対象で、研修内容も大半は社内で用意でき、それぞれの立場で業務を効率化したり改善するのに役立つ内容が多く、例えば接客要領の習得や販売事務手順の習得等が代表例と言えるかもしれません。広くはOJTもその内容に含まれます。
一方リスキリングは、デジタル技術やAIの進展に伴い、企業がデジタル技術を活用した新しいビジネスモデルを開発したり、従来の延長線上にない新しいビジネスプロセスを導入する際、社内にそのような知識や経験がなく、社員が必要とされる新しいスキルを習得するために提供される研修プログラムのことを言うようです。
大きな違いは社内に研修の知識や経験があるかどうかという点で、その点多くのデジタル技術、特に生成AIの活用は今後あらゆる企業で活用が不可避とされながらも企業内にその知識も経験の蓄積がなく、多くの企業でリスキリングと言えばこれらの内容の研修が大半を占めているのが実情のようです。
スキルの陳腐化は加速度的に早まっている
従来の社内研修は集合研修→OJTを繰り返すことで実務的な知識や経験を社員に習得させていましたが、内容は数十年大きく変わることもなく、一度習得してしまえば定年までそれなりに有効でした。一方デジタル技術は一度習得しても次から次へと新しい技術が登場してあっと言う間に実用性を失うことも珍しくありません。
リスキリングと言う言葉は、従来の社内研修と違って一度受講すればおしまいというものではなく、企業を取り巻く環境変化に応じて社員が新しいスキルを学び続ける事の重要性を示唆しているかもしれません。
どのようなスキルが必要か、企業目線だけではなく自分で考える必要がある
終身雇用制度下では、所属企業の社員として目先の業務遂行に役立つスキルが身に付けば十分でした。しかし今はジョブ型雇用制度を採用する企業も増え、転職も珍しい話しではすっかりなくなりました。
そのような状況下では社員の側も自分に必要なスキル、強化すべきスキルを時々自分の現有スキルを棚卸して確認することが必要になってきています。企業側が用意するリスキリングプログラムは有効に利用させてもらった上で、さらに一人ひとりが自分に必要なスキルを習得するための独自のプログラムを考える必要が出てきていると言えると思います。
興味を持って楽しく学び続ける
何にせよ、他人から強制されて義務的に学ぶ事は面白くなく、学んだ事もあまり身につかないものです。私自身はe-Learningや本で何かを学ぶ際に、疑問がわいたらすぐに手元のスマホ上の生成AIに聞くというやり方が最近のお気に入りの学習スタイルです。新しい知識やスキルは自分の世界を広げてくれると考え、今後も学び続けていきたいと考えています。
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