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タイ税務署から指摘を受けると大ごとになりがちな3つのポイント


タイの会計・税務の基礎知識、会計事務所の選び方、定評ある会計ソフト・ERPシステムの説明等を分かり易く解説。

タイの税務署からの指摘とは


 タイで納める税金のうちの多くは会社や個人が自ら申告を行う必要のある税金です。ここで、納税する側が税務署が納めてほしいように税金を申告しているのならば問題ないのですが、そうでない場合、税務署はその差異について指摘し、追加での税金納付を求めてくることがあります。


 この相違点の内容は多岐に渡るのですが、本稿では特にタイの税務署から指摘を受けると大ごとになりがちな3つのポイントについて解説します。


① 商流上は輸出だが、物流上はタイで完結する取引についての取扱い(VAT)


 物品販売に関するタイのVATはタイ国内で引渡しがなされる場合7%の課税がなされることになっています。このため、仮に貴社から見た場合に海外顧客向けに物品販売を行う場合でも、当該物品がタイにあり、タイの顧客向けに引き渡される場合(例:海外顧客の取引先であるタイの顧客向けへの発送を行う場合)は、貴社はこの物品販売について7%のVATを認識し、税務署への納税を行わなければなりません。


 これを忘れてしまうと、VATの申告漏れとして税務署の指摘対象になり、このVAT相当額の追加納付、加算税、延滞税を支払う必要が生じます。物品販売の場合取引金額が多額になる場合もあり、VATについても追加で納税する必要がある金額が多額になりがちです。


 また、顧客にVATを含めた金額で取引額の合意をとっていなかった場合、VAT相当額の7%は貴社が回収できないにも関わらず納税しなければいけない金額になり、経済的損失も大きくなってしまいます。


② 利益が少ないとみなされた場合の取扱い(法人税・VAT)


 タイの税務署は法人税・VATの課税において、取引が市場価格より低い価格でなされていると判断した場合、市場価格に基づいて課税を行うことができます。このため、『会社が赤字』『特定の相手先との取引が赤字』『特定の品目に関する取引が赤字』という状況が識別されると、税務署は取引が市場価格より低い価格でなされている(全ての会社は利益を出すために市場において活動するのだから、利益が出ていない価格は市場価格より低いはず)と判断し、想定される市場価格に基づいて利益が出ていると仮定された金額に基づいて課税をしてくる場合があります。


 この場合、計算によって生じた全く想定していなかった法人税・VATが課税されることになりますので、感覚的なショック(なんで赤字なのに法人税がかかるの?)もさることながら、経済的なショックも大きくなりがちです。


③ 日本からの駐在員に対する給与の取扱い(法人税・VAT)


 日本企業の在タイ子会社の駐在員について、『この駐在員は日本企業から派遣されたコンサルタントであり、在タイ子会社のために6カ月を超えて働いているのだから、日本企業がタイで恒久的施設を持って事業をしている状況に該当する』と判断し、この駐在員に対して支払う給与について日本企業が収受するサービス料とみなして、日本企業の名義でタイで法人税・VATを支払う必要がある、と判断された事例が存在します。


 多くの日本企業は駐在員を派遣しているとみられますが、駐在員について『親会社から子会社へのコンサルタントである』と整理し、親会社としてタイの法人税・VATを納税しているケースは僅少であると推察されます。駐在員給与はそれなりの金額になる場合が多く、金額上のインパクトもさることながら、全くの想定外、しかも日本側にかかる税金ということで、大ごとになってしまうポイントかと思います。


どうすればよいのか?


 まずはこういったケースがありうるということを理解し、事前にそのような状況にならないように留意しましょう。他方、実際問題としてそのような状況になることが避けがたい場合もあると思います。その場合、タイには色々な専門家がいますので、一旦相談してみるというのも手かもしれません。本稿が皆様がタイでビジネスをする上での一助となれば幸いです。


【免責事項】

本稿は、一般的な事項についての情報提供を目的として作成されたものであり、実際の遂行にあたっては、多くの場合関連法規の検討、並びに専門家との協同が必要になります。このため、執筆者並びにその所属先は、本稿の利用に起因する如何なる直接的・間接的な損害に対しても一切の責任を負いかねます。また、本稿記載の情報は作成時点における調査に基づいたものであり、随時更新される可能性がありますことをご了承ください。


 
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