AIは“答える”から“働く”へ ― AIエージェント時代の企業競争力
- 鎌倉 俊太郎

- 4 時間前
- 読了時間: 4分

AIエージェントが実用段階に
2025年はAIエージェント元年とも呼ばれ、気が付けばAIと言えば人間の質問に即座に回答する生成AIから人間に代わって仕事をするAIエージェントの事を指す場面が増えてきました。AIエージェントとは、人間の指示(プロンプト)に対して自分でやり方を考えて判断し実行まで担うAIのことを言います。
すでに欧米では大手テック企業が先導して急速に企業の実務現場において導入が進んでいますが、日本企業ではまだそれほど進んでいない印象です。人手不足が特に深刻な日本企業こそAIの活用が決定的に重要な要因だと思うのですが、なぜここにも日本企業と欧米企業に違いが出始めているのか、今回はこの問題についてご一緒に考えてみたいと思います。
AIエージェントとは
ここでAIエージェントが従来の生成AI(チャットAIとも呼ばれ、初期のChat GPTが典型)がどう違うのか簡単に整理しておきたいと思います。従来の生成AIが「問いに答える」のに対し、AIエージェントは「目的のために自律的に動く」のが特徴です。
具体的には、必要な情報を自分で検索し、複数のツールを使い分け、試行錯誤を繰り返しながらタスクを完遂します。例えば「来週東京に2週間出張に行く予定」と指示するだけで最適な航空便、ホテル、空港ホテル間のプランを即座に提示し、指示した人がその内容でよければ旅行代理店とやり取りの上予約を完了させるところまでAIエージェントは行います。
欧米の先進企業では急速に普及がすすんでいる
もちろんAIエージェントはまだ完璧ではなく、いわゆる行間を読むような人間のような柔軟な対応まだ難しいようです。そのせいか日本の多くの企業ではバックオフィス領域では会議の議事録作成か資料作成の補助ぐらいで留まっているケースが少なくなく、特定の業務分野をAIエージェントに丸ごとまかせるという事例はまだ少ないようです。
一方で欧米の先進的な大企業では、特にバックオフィスやコールセンター領域、場合によっては販売領域までAIエージェントの導入が急速に進んでおり、その結果大幅な人員削減を行われています。例えばアマゾンでは2025年秋から管理部門やカスターマーサポート領域で大胆にAIエージェントによって業務を代替し、事務系職員の約10%にあたる約30,000人をリストラしたとの報道がありました。
日本企業と欧米企業との違いがここにも
AIにどこまでまかせるべきかという観点で現状の仕事を見直した場合、まだ現時点では無理だという検討結果になりがちです。ただその要因は頻繁には生じない例外事象への対応だったり従来同様の丁寧な社内や顧客対応を基準として、人間と完全に代替できるかという視点で検討した結果まだ実用段階にないと判断されたのではと推察しています。
しかし業務を適切に細分化した場合、実は人間が判断、処理しなくてもAIの方が正確かつ迅速に実行できる領域は現段階でも多数あると思われます。AIエージェントの導入を急速にすすめている欧米先進企業では、例外事象や人間が従来行っていた丁寧な社内や顧客の対応はその閾値を決めて人間が介在する場面を定義し、通常業務の大半は原則としてAIエージェントにまかせるという方針を徹底しているように見えます。
AIエージェントに向き合わざるをえない
もちろん日本ではまだまだ終身雇用の慣行が強く、AIエージェントで業務が代替できるからと言ってすぐに当該業務の従事する従業員を大胆にリストラするという訳にはいきません。それでも多くの企業にとって競合の舞台はすでにグローバル市場となっており、AIエージェントをどのように活用して企業の競争力を高めていくのか、より知恵と工夫が求められるのは必至と思われます。
まだAIには無理と思っていた業務が、実は欧米企業ではAIにまかせるのが当たり前になっているという事例がここ数年でいくつも出てくると思います。経営陣は当然の事、すべてのビジネスパーソンがAIの実用可能性を検討するタイミングがもうすぐそこに来ていると感じる今日この頃です。
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