BOI新基準に基づく外国人雇用、および最低賃金に関するQ&A
- 深澤 チトラートン

- 3 日前
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BOI新基準に基づく外国人雇用及び最低賃金に関するQ&A
BOI告示第Por.8/2568号(2025年10月1日施行)により、外国人雇用のビザ・労働許可証申請基準が変更されます。本記事では、適用時期、タイ人雇用比率、最低給与要件など、BOI企業が実務で押さえるべきポイントをQ&A形式で解説します。
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Q:新基準はいつ適用されますか?
A: 2025年6月5日以前にBOIの認可および奨励証書が発給されたプロジェクトは2026年1月1日から適用、2025年6月5日以降にBOIの認可および奨励証書が発給されたプロジェクトは2025年10月1日から適用となります。
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Q: タイ人従業員の定義を教えてください。タイ人の研修生やフリーランスを含めますか?
A: 直近1ヶ月間に法人によって社会保険料が支払われたタイ人の正社員(Full-time Employee)を指します。よって、研修生やフリーランスはタイ人従業員の対象外です。
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Q: 外国人従業員の定義を教えてください。
A: BOI恩典の第25条、第26条に該当する外国人従業員を意味します。
BOI恩典の第24条に従ってビザ・労働許可証を取得した外国人、Non-BOIで採用した外国人、タイMOU労働者(ミャンマー、ラオス、カンボジア)は対象外です。
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Q: 外国人雇用する場合、タイ人従業員比率を70%以上維持する要件は、全ての事業に適用されますか?
A: すべての事業に適用されるわけではありません。「製造業」の投資奨励を受けた企業で、BOI 奨励企業がビザ・労働許可証をオンラインで申請するためのSingle Windowシステムで承認されているタイ人従業員数と外国人従業員数の合計が100人を超える企業にのみ適用されます。
Z社が製造業とサービス業の両方で2つのプロジェクトの投資奨励を受けている場合の事例として、
【雇用状況1】
① タイ人従業員数80人
② 製造業の外国人従業員数5人
③ サービス業の外国人従業員数5人
④ タイMOU労働者(ミャンマー人)20人
<判定>
新基準に該当するタイ人従業員数(80人)と製造業の外国人従業員数(5人)の合計は85人となり、100人の要件を満たしていないことから、新制度に適用されません。
【雇用状況2】
① タイ人従業員数90人
② 製造業の外国人従業員数15人
③ サービス業の外国人従業員数5人
④ タイMOU労働者(ミャンマー人)20人
<判定>
新基準に該当するタイ人従業員数(90人)と製造業の外国人従業員数(15人)の合計は105人、タイ人従業員は全体の85.7%を意味することから、BOIの要件を満たし、新制度に適用されることになります。
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Q: 外国人従業員の最低賃金要件は、すべての国籍およびすべての事業に適用されますか?
A: Single Windowシステムで申請するすべての外国人とすべての事業に適用されます。
なお、BOIが定めているポジションによって、最低月額平均賃金は異なります。
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Q: タイで受けている給与は役員報酬12万THBの他、会社が負担する住宅賃料月額5万THBがあります。 この場合、月額平均給与15万THB以上の条件に適合されますか?
A: 新規申請時に、Single Windowシステムに雇用契約書をアップロードしなければならないため、月額給与12万THBと住宅手当5万THBの報酬条件を雇用契約書に明確に記載する必要があります。住宅手当の他、出向手当、特別手当、賞与等も賃金に該当しますので、契約書の記載は重要です。
そして、ビザ・労働許可証の更新時にタイで申告した確定申告書(P.N.D.91)の提出になりますので、平均月収15万THB以上であることをご確認ください。
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Q: 日本の親会社からも収入を得ています。タイの賃金と合算し、最低賃金をクリアしたいのですが、可能でしょうか?
A: 合算は可能です。2026年2月現在、収入証明書について、ビザ延長申請の提出期間に応じて、BOIより新しいガイドラインが発表されました。
1. タイ国内で収入がある場合
第1期(2026年1月1日~2月16日):Form P.N.D.1Kの代わりに、新しい給与を明記した雇用契約書の提出。(2025年度のForm P.N.D.1Kまたは最新のForm P.N.D.1が既に基準を満たしている場合は、雇用契約書不要)。
第2期(2026年2月17日~2026年4月16日):最新月のForm P.N.D.1使用。
第3期(2026年4月17日~2027年2月27日):過去3ヶ月分のForm P.N.D.1使用。第4期(2027年3月以降):2026年度のP.N.D.1K使用。但し、2027年2月28日までに提出すること。
2. タイ国外で収入がある場合
① 過去3ヶ月分の海外給与明細書
② 過去3ヶ月分の海外銀行口座の取引明細書
③ 奨励対象事業に関する雇用契約書/就労証明書
④ 次回の延長期間において、最低所得基準に基づくP.N.D. 90/91を提出することを
証明する書面
注:海外所得のみを申告する場合、上記①~④の書類すべてを提出する必要あり。
【免責事項】
本稿は、一般的な事項についての情報提供を目的として作成されたものであり、実際の遂行にあたっては、多くの場合関連法規の検討、並びに専門家との協同が必要になります。このため、執筆者並びにその所属先は、本稿の利用に起因する如何なる直接的・間接的な損害に対しても一切の責任を負いかねます。また、本稿記載の情報は作成時点における調査に基づいたものであり、随時更新される可能性がありますことをご了承ください。
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