よく聞くけど意味はよく知らない。。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。ビジネスの現場では以前からよく聞くけど意味はよく知らないという言葉は多いものです。多くの方にとってコンプライアンスという言葉もその一つではないでしょうか?
一般にコンプライアンスとは法令遵守を意味しますが、実は「遵守する」対象は法律よりはるかに広いものです。昨年もビッグモーターやジャニーズ事務所等、コンプライアンス違反事例がメディアを賑わせましたので今回はこのトピックを取り上げたいと思います。
コンプライアンスの対象と必要性
コンプライアンスの対象は国や自治体の定めた法令だけでなく就業規則等の社内ルール、さらには企業倫理、公序良俗を守るための社会規範も含まれるとされています。最近はパワハラや意図的な情報漏洩等、一部社員によるコンプライアンス違反事例が頻発している印象ですが、組織ぐるみの品質不正等の問題も相変わらずよく目にします。
法令を守るのは当然としてなぜ企業が社内のルールだけでなく社会規範まで遵守することを求められるかと言えば、企業は社会の一員であり、社会的責任を果たすことによってその存在と事業活動が社会から認められるためです。法律さえ守っていれば後は自由という発想では顧客、取引先、株主、従業員をはじめとした社会から受け入れられず、その存続すら危い事態になるといえましょう。
コンプライアンスを維持するための対処策
まずは社内でコンプライアンスがいかに重要か、事業活動を遂行する上でコンプライアンス維持のためにどのような点に注意が必要かについて明文化し、社内で周知する必要があります。ただ多くの社員の方々にとってコンプライアンスは法務部や経営幹部がやっていることという感覚になりがちなことが多く、コンプライアンスの重要性を説明した文書(一般に行動規範とよばれたりしてます)を作ったと社内アナウンスするだけでは不十分です。コンプライアンスが日常業務を遂行する上で常に意識しなければならない全社員にとって重要なテーマだと、社内トレーニング等で意識を高めてもらう必要もあります。
また、コンプライアンス違反を目のあたりにした社員が安心して会社に対して問題提起を出来るよう、内部通報制度の整備も必要です。2022年6月から公益通報者保護法の改正により従業員数300人以上の会社では内部通報制度が義務化されましたが、300人以下の会社でも第三者内部通報制度を活用するなどして早急に内部通報制度の整備が求められると思います。
大事なのは経営幹部の意識
行動規範を策定し、内部通報制度を整備した上でコンプライアンストレーイングを実施しても、それがただ通常の社内研修の一環として実施されるだけでは十分ではありません。コンプライアンストレーニングを普段からやっているはずのプライム市場上場企業ですらコンプライアンス違反の事象を引き起こしているのが実情ですから、おざなりではなく真剣に繰り返しコンプライアンス重視の意識を全社員に持ってもらう認識が必要です。
そのためには経営トップをはじめとする経営幹部の意識が特に重要です。経営幹部が「コンプライアンスが大事」と言いながら、無理な販売目標を営業部門に課していたり不都合な情報を上層部に報告しずらい雰囲気を放置していたりしていないでしょうか。報道でコンプライアンス違反の事例を目にする度にこの会社では上層部のコンプライアンス意識が低かったんだろうなと推測している今日この頃です。
【免責事項】
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