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中間管理職の負荷問題


タイの会計業務

中間管理職は大変

 

 働き方改革、残業時間の規制、30数年ぶりの大幅賃上げ、人手不足を背景とした売り手優位の採用市場等、企業で働くビジネスパーソンにとってはここのところ明るいニュースが増えてきたように感じています。


 一方で中間管理職の方々からは以前よりかえって大変になってきた、あるいは若手層からは上司を見ているととても大変そうなので中間管理職にはなりたくないという声もよく聞きます。今回はなかなか表に出てこない中間管理職の負荷問題についてご一緒に考えてみたいと思います。

 

従来の中間管理職の位置付け


 中間管理職の定義というのは厳密にないと思いますが、一般的には係長、課長といった肩書で部下が数人~十数人いる方というイメージかと思います。大半のビジネスパーソンが出世をめざしてがんばっていた時代には、まずは係長や課長になることが大きな目的でしたし、会社の重要情報を社員に展開する権限も持っていたので実際に会社の中で責任と共に権限も持っていた存在でした。


 また現在ほど中途入社が一般的ではなく、新卒から生え抜きで出世するのが当たり前だったので、特に大企業では社長をはじめ経営陣の中で同じ会社の中で係長や課長の経験のない方はほぼいませんでした。現在でも多くの企業でまだその名残は色濃く残っていると思います。

 

現代の中間管理職はプレイングマネージャー


 昔から中間管理職は上と下からはさまれて大変というイメージはありましたが、それでも出世階段を上っているという感覚があり、権限もそれなりにあってもっと頑張ろうという雰囲気もありました。ところが今はガバナンス強化の影響で中間管理職の裁量はむしろ狭められ、さらにプレイングマネージャーという響きのよさに覆いかくされて従来からの仕事はそのまま持ったまま管理職業務がさらに加わったという中間管理職の方が多い印象です。


 一般社員は働き方改革の名の下残業はさせられないし、部課単位で達成すべき目標は大きくなる一方なので必然的に自ら顧客対応等の通常業務もこなさざるをえなくなります。多くの中間管理職の方は裁量労働制が適用されているので、中間管理職の総労働時間は客観的にも見えにくくなっていると推察しています。

 

修羅場の経験が必要という話し


 日本経済新聞に大企業の社長が自分の課長時代を語るコーナーがあります。ワークライフバランスを重視して呑気に暮らしていましたという方は皆無で、修羅場に直面していたというご経験談が多い印象です。


 もちろん皆様修羅場を潜り抜けて今の立場になられたという感覚をお持ちだと思いますし、大きな組織のトップに立つにはそのような経験が必要だとする意見には私も同意しますが、それではすべての中間管理職の方にそのような経験が必要なのでしょうか?心身のバランスを崩してしまっては元も子もないですし、会社にとっても損失だと思います。多様性の時代、中間管理職にもいろいろな類型があってしかるべきだという論調が少ない風潮にやや違和感を感じています。

 

このままだと中間管理職の成り手がいなくなる


 現在ブームの働き方改革、職場環境の改善、賃上げラッシュといった経営施策の多くは一般社員を対象としたもので、中間管理職はその対象からはずれがちです。一般社員の内は大事にされて居心地はいいですが、上司の中間管理職を見るといかにも大変そうに見えると思います。


 豊かになった世の中で出世願望の強い若者は少数派と言われていますので、中間管理職にはなりたくない人が増えるのは必然かと思います。まずは現在自社の中間管理職がどのような状況に置かれているのか検証が必要な企業は少なくないと感じていますが、皆様がお勤めの企業はいかがしょうか?


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