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タイの法人税の還付請求について


タイの会計業務

法人税 / 前払法人税 / 前払源泉税 の還付請求について

 法人が決算確定後、税務上の調整や税金の算出を行い、法定申告期限までに税務署等に確定申告書を提出します。この確定申告で確定した税額を法定納期限までに納付しなければなりませんが、算出された法人税額が中間申告等による納税額よりも少ない場合、その会計年度に納め過ぎた税金を還付請求することができます。


日本とタイの違い

 日本では、納め過ぎた税金の還付を受ける場合、比較的に簡便なプロセスとして、確定申告書「別表一(一)」の「この申告による還付金額」の各欄に金額を記載し、確定申告日より3週間(電子申告)から2ヶ月(書面申告)程度で、還付金が指定口座に振り込まれます。


 しかし、タイの場合、確定申告書「P.N.D.50様式」の所定箇所に還付金を記載しますと、全会計項目の税務調査の対象になります。そのため、確定申告を提出する前に、慎重に検討する必要があります。



タイにおける還付請求のルールと対策

 ここでは、代表的な還付請求のルールと税務調査の対策を紹介します。

 還付税金は預貯金等の利子や投資信託等の配当収入から控除された源泉税や中間申告時の 法人税過大納付が上げられますが、タイではサービス売上に対する源泉税も該当します。

両国とも源泉税は法人税額から控除することができます。日本の会計では「法人税等」や「仮払税金」等で計上される一方、タイでは、資産分類の「前払法人税」、「前払源泉税」、「Prepaid Corporate Tax」(以下「前払源泉税」という)という勘定科目で計上されます。


【例1】2023年度確定申告時の税金納付

法人税 500,000THB - 予定申告 200,000THB - 前払源泉税 200,000THB = 確定申告時の法人税額 100,000THB


【例2】2023年度確定申告時の税金還付

法人税 500,000THB - 予定申告 200,000THB - 前払源泉税 400,000THB

= 確定申告時の還付請求額 100,000THB


 特にタイの場合、還付請求に伴う税務調査は厳しく実施されるため、税務調査に向けて、周到な準備が必要とされます。準備期間を加味し、当該事業年度の前払源泉税を還付請求せず、法定申告期限から3年間、会社の資産勘定に残すことができます。還付請求の消滅時効が到来する 期限までに還付請求を希望される場合、専用還付請求申告書(Khor.10様式)を申請することが できます。万一、還付請求を希望されない、または時効消滅した場合、資産勘定に計上した前払源泉税を経費不算入として処理します。


タイ税務におけるリスク対策

 タイの税務調査における最大のリスクは追徴課税の発生です。例えば、調査結果によって経費算入の科目が経費不算入として判定された場合、法人税の追徴が生じます。また、売上過少申告による仮受付加価値税の追徴、海外取引における源泉徴収税額の追徴、印紙税の過怠税が再評価されることがあります。


【例3】2023年度確定申告時の税金還付と追徴課税

法人税 500,000THB - 予定申告 200,000THB - 前払源泉税 400,000THB

= 確定申告時の還付請求額 100,000THB


数年後の税務調査結果、法人税や印紙税の追徴課税が200,000THB発生した場合、会社は差額分100,000THBを税金納付しなければなりません。



 税務調査の際、所轄税務署から要求される主なエビデンスは下記のとおりです。  ※詳細な情報は、顧問会計事務所にお問い合わせください。


① 決算報告書、試算表、総勘定元帳、資産台帳、ローンアグリーメント等の契約書

② 月次納税申告書(P.P.30様式)の申告と確定申告書(P.N.D.50様式)の売上認識の検証

③ 月次売上課税報告書およびTax Invoiceの写し

④ 月次仕入税額報告書およびTax Invoiceの原本

⑤ 源泉徴収税額証明書(50TaVi様式)の原本

⑥ 月次商品在庫管理表

⑦ 売上と原価マッピング表および個別売上総利益の計算

⑧ 販売商品または提供サービスの詳細内容および売上認識の説明


 すべてのデータについて、95%以上の正確性が要求され、税務署が定めたフォーマットで資料が作成されている必要があります。


 以上のことから、税務調査に対応する労力と費用対効果を鑑み、還付請求を行うかどうかを判断することになります。還付請求をする上で、日々の会計処理を正しく行い、帳票類がしっかりと管理されていることが望ましいと言えます。


【免責事項】

本稿は、一般的な事項についての情報提供を目的として作成されたものであり、実際の遂行にあたっては、多くの場合関連法規の検討、並びに専門家との協同が必要になります。このため、執筆者並びにその所属先は、本稿の利用に起因する如何なる直接的・間接的な損害に対しても一切の責任を負いかねます。また、本稿記載の情報は作成時点における調査に基づいたものであり、随時更新される可能性がありますことをご了承ください。

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