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サービスしてと言われたら?


サービスしてと言われたら?

サービスの意味


 日本での私たちの日常では、当たり前のようにサービスと言う言葉を耳にします。お店やレストランで、「これはサービスしておきます」と言われたら、それは無償で何かをいただくという意である事に疑問を感じる人はいないでしょうし、久しぶりに日本に帰国された方にとってはしばらくぶりにこの言葉を聞いてその意味を思い起こした経験をされたかもしれません。


 企業社会では悪い表現の事例として、「サービス残業」と言えば残業代なしで残業する事を意味します。一方英語圏でも「Service」と言えば、無償の公共奉仕や教会での活動の意味もありますが、対価を得て相手にとって有用な活動を行う行為にも同じように用いられます。日本人には、「サービス=無償」という概念がしみついているのに、欧米では対価を伴う行為も包含するという、大きなギャップが企業活動の現場にもたらす問題について今回はご一緒に考えてみたいと思います。

 

言葉の語源


 「Service」という言葉の語源は、ラテン語で「奴隷として主人に仕える」という意味のようです。もちろん現代ではこのような意味はありません。奴隷制度の廃止、奉仕活動の進展、企業活動の進化をいった経過をたどって、英語圏では現在のようにいろいろな場面を包含した意味を持った言葉となっているようです。

 

取引の現場での意味


 日本の方が意味が限定的な分、はっきりしているとも言えますが、一方で無償の意味合いが強すぎて取引の現場では商慣習であるかのように買い手にとって都合よく使われていることが多いと思われます。これは消費者相手のB to Cのビジネスに限らず、企業間取引のB to Bのビジネスでも同じことが言えると思います。


 サービスというと無料と思われることを懸念してか、決算開示資料でも〇〇サービスビジネスとか、あえてビジネスと言う言葉を足して無料感を消そうとしているような表現も見受けられます。そもそもサービス業という産業分類すらあるのに、取引の現場で「サービス」という言葉が出ると無償や値引きの話しになるのには、おかしな話しです。

 

買い手優位の文化の影響


 日本では従来「お客様は神様」的な、買い手が優位、売り手が劣位という空気が強くあり、現状でもまだまだ根強いと感じています。最近スーパーや病院、ゴルフ場でも、「カスタマーハラスメントは許しません」というポスターを目にする機会が増えたのは、裏を返せば買い手優位の発想で売り手側に無理を要求する人が多かった証左でもあります。本来売り手と買い手は対等なはずなのに、ラテン語の影響がない日本語圏ではServiceの語源に忠実になっているというのはいかがなものでしょうか?

 

有用なサービスの提供には対価が伴う


 もちろん買い手として支払う対価に見合うサービスを受けられるのか、対価に見合わないサービスなのではないかという視点でサービスの提供内容を吟味すべきですし、見合わないと思えば当然そう主張するなりもっといい内容のサービスを提供する別の売り手に切り替えるべきです。サービスはモノと違って在庫が出来ません。つまりその場でサービスを提供する人次第で、その内容、品質に大きな差が出ます。


 いいサービスを受けたければ、その内容に見合う対価を当然に払う、取引の現場でそのような感覚が社会的に共有されてこそ、サービスを提供する側はその内容を高め、サービスを受ける側はよりよいサービスが受けられるという好循環が生まれてくると思います。

 

サービスという言葉がむやみに無償という意味を連想させるのではなく、よりよいサービスを提供しお互いの価値を高めるような状況を連想させるようになればいいなと、今日もレストランでこの言葉を聞いた際に思った次第です。

 


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