就業規則改定、現場では何が起きる?
- 深澤 チトラートン

- 3 日前
- 読了時間: 4分

タイで進む労働法改正、就業規則はどう直す?
タイでは労働者の生活の質(Quality of Working Life)を向上させるための支援と近年の社会情勢を反映し、男女労働者の福利厚生制度が見直されています。
最近では、2025年12月7日 より女性労働者の産休期間は従来の98日から120日に延長されることや男性労働者は最長15日間の育児休暇を取得できるようになります。さらに、12月上旬に開催される第二読会と第三読会において、週40時間労働(現行48時間労働)、週休2日、年10日以上の有給休暇(現行年6日以上)、家族の介護のための看護休暇が審議されます。
これらの法案が可決され、法律として執行された場合、既存の就業規則を新法に準拠させる必要がありますが、正しく改定する方法のお問い合わせが多く寄せられます。今回は、就業規則の改定に伴う実務事例を複数紹介します。
就業規則の改定に関するQ&A
Q:当社の就業規則は従業者の誕生日に準じて定年を55歳と定めています。
今後、定年年齢を55歳から60歳へ引上げたい場合、必要な手続きは何ですか?
A:就業規則に規則改定する権利を有する内容が定められているかをご確認ください。
規則改定の権利を有する場合、会社は改定権利を引用し、定年を55歳から60歳に変更することが可能です。
規則改定の権利を有しない場合、全従業員の同意が必要です。全従業員の同意が得られない場合は、定年60歳に同意する従業員との個別契約書を締結することになります。
Q:会社の就業規則は、従業員が満55歳で定年退職すると定めています。
ある従業員が55歳に達した後、専門的な技術を有することから、会社が退職金を支払わず、当該従業員を60歳まで定年を延長し、かつ、勤続年数に応じた退職金を1回に限り支払う旨の継続雇用の契約を提示しました。
従業員がこれに同意した場合、会社は退職金を55歳に支払う必要はなく、60歳までの勤続年数に応じた退職金を支払って良いという理解で合っていますか?
A:従業員が継続雇用と退職金支払の条件に合意した場合、会社は当該従業員が60歳を迎えた時、退職金を支給することが可能です。
もし、従業員が継続雇用と退職金支払の条件に合意しない場合、会社は当該従業員が55歳を迎えた時、一度、退職金を支払わなければなりません。そして、当該従業員が55歳以降の継続雇用が終了した時、その雇用年数に応じて、会社は、もう一度、退職金を支払う義務が発生します。
Q:当社の就業規則に在宅勤務(リモートワーク)に関する項目がありません。
在宅勤務を導入する場合、どうしたら良いですか?
A:在宅勤務の場合、基本的には会社と従業員との間で、個別の合意書の作成が必要です。
2023年3月19日付に告示された仏歴2566年(2023年)労働者保護法の第8版改正で新たに在宅勤務に関する条項(労働者保護法仏歴2541年第23/1条)が追加されました。
この第23/1条に基づくガイドラインに従って、在宅勤務を導入する会社と従業員は、以下の内容を記載した書面または電子形式による合意を結ばなければなりません。
① 合意した開始期間と終了期間
② 所定労働時間、休憩時間、時間外労働
③ 時間外労働、休日労働、各種休暇取得の基準
④ 従業員の業務範囲、雇用主の管理または監督の詳細
⑤ 在宅ワークに必要経費、業務用機材・設備の提供
【免責事項】
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